100km超えウルトラトレランレース OSJ KAMI 100 2023完走!

トレイルラン

100kmを越えるトレラン大会は、走力もさることながら計画、準備、フィジカル、メンタル、補給、着替え、不測の事態への対応などセルフマネージメント能力ががものをいいます。

過去2回100km越えのトレイルラン大会でDNFした筆者。

1回目の“六甲縦走キャノンボールラン(レインボー 約130km)”は、負傷のため20kmでDNF。
続く“くろんど輪舞曲 180km”は、低体温症&低血糖で143kmでDNF。

何が起こるか予測不可能な100km越えのトレラン大会を完走することは難しいです。

今回出場したOSJ KAMI 100も連戦の疲労からくる不調、胃痛、寒さに悩まされました。

それでも完走できたのは、仲間やエイドのサポートのおかげと感じています。

本調子ではない状態でしたが、その場での工夫とメンタルコントロールで乗り切ることができました。

本投稿では、100km越えトレラン大会で起こるイレギュラーとその対応を中心に記載していきます。

完走率62%と完走困難だった大会の体験が今後のチャレンジャー達のお役に立てれば幸いです。

スタート前、トレラン仲間との記念撮影。

準備編

今回の準備で重きを置いたのが寒さ対策、補給対策でした。

スタートは9時、112kmトレイルランでは必ず夜のパートが訪れます。
夜の寒さに身体がやられると完走も危うくなります。

まず、ウエアは周回毎に着替えれるように3枚用意。
次に、透湿防水の薄手ジャケット、発熱効果のあるジャケットを重ねれるようにパッキング。
そして、首や手首を冷やさないためのバフとグローブ。
更に、体温を下げないように常に食べ続けるお菓子、ジェル。
最後に、もしもの時に体を冷やさないためのカイロ、保温用のビニール、エマージェンシーシートを準備しました。

装備、補給は以下のとうりです。

・装備
ランニングウエア(2枚)
ランニングパンツ(2枚)
靴下(4枚)
シューズ(2足)
キャップ(バイザー×2)
サングラス
バフ×2
ザック×2
テーピング(足首、膝、臀部)
皮膚保護クリーム(足全般、脇、股)
グローブ
ハイドレーション×2
予備フラスク、マイコップ
ジェル(WINZONE×5)
塩タブ(塩熱サプリ10)
透湿防水レインジャケット
レインパンツ(mont-bell)
発熱効果ジャケット
ビニール袋(保温用)
カイロ
エマージェンシーシート
救急セット
マイタオル(バスタオル、タオル)
着替え
お金
トレッキングポール(3周目から)
軽量ヘッデン×2
ヘッデン替電池
懐中電灯
モバイルバッテリー×2
熊鈴

・行動食
チョコクロワッサン
クリームパン
チョコワッフル
ブラックサンダー4個×周回毎
おにぎり煎餅2個×周回毎
ジェル(WINZONE×6)

1週ごとの行動食

【大会について】

OSJ KAMI100
2023年11月4(土)〜5(日)に開催。
距離:112km(37km×3周)
累積標高:6190m(2060×3)
制限時間:25時間
関西圏では珍しい100km越えの大会、ITRA5ポイントを獲得することができます。

ハチ北スキー場をスタート。
前半は鉢伏山エリアを走り、氷ノ山ストレートと呼ばれる但馬アルペンルート沿い舗装路を走り後半の瀞川山エリアに至り、ハチ北スキー場に戻る周回コースです。

OSJ KAMI100 コース図 出典元:公式ホームページ

1周目 蓄積疲労

前泊組のトレラン仲間に委任状を託していたので受付は誓約書のハガキを提出するだけでした。

トレラン仲間や神戸エーシーメンバーと記念撮影を終えて9:00にスタート。

100kmを越える長丁場、脚の疲労を感じていたため調子を確かめながら、後方からスタート。

“深北男塾”のシンデ氏と撮影を楽しみながら、ハチ北高原スキー場ゲレンデのコンクリート道を上ります。

※“深北男塾”に興味のある方は、こちらをご参照ください。

ゲレンデは斜度がキツく走り切るにはかなり力が要ります。
傾斜を見ながら走れるところは少し走り、ほとんどは歩きます。

感じていたとうり身体が重く、軽快に坂を登ることができません。

ゲレンデを上り切り、少し下って鉢伏山までは急登が多いパート。

急登ロープ箇所では渋滞もあり、1km進むのに20分以上かかります。
記録を狙うならここまでに先行し、渋滞ロスなくロープ場を乗り切ることがおすすめ。

鉢伏山までは、走れる場所が少なかった印象です。

鉢伏山山頂から丸高山までの下りは階段とガレ場が多く走りにくい区間ですが、この日は天気が良く絶景でした。

鉢伏山からの下りは絶景でした。

下り切ると第2エイド(美方高原コテージ村)、
ここでは、スープ、チョコ、水分を補給します。

野間峠で第3エイド、おかき、水分補給を行い舗装路(氷ノ山ストレート)に入ります。

ゆるいアップダウンの舗装と未舗装路を繰り返し再びトレイルへ。
約6km下りつづけ、第4エイド(瀞川渓谷)到着。

起伏のあるロードを進むとすぐに第5エイド(兎和野高原)。

各エイドでのスタッフのサポート、食料・温かい飲み物がなければ完走は難しかった。

兎和野高原から瀞川山までの上りが最もキツい。
登山道から林道に入り、帰りは瀞川山の山頂を経由。

〜合目の印があり山頂まであとどのくらいか分かりやすい。
氷ノ山ストレートの林道とロードを走り野間峠を経てスタート地点へ。

瀞川山までの上りが一番きつい。

瀞川山からはほとんどが下り。

最後のゲレンデの下りの傾斜がキツく脚にこたえます。

1周目は5時間48分でした。

1週目は、明るいうちに終了。

2周目 雨と胃痛

1周目終了時点は、まだ明るく体力も残っています。
前のランナーとの差もそれほどではなく、仲間やチームメンバーとスキー場付近でスライドすることができました。
どのランナーも1周目は下見といいった所でしょうか。

スタート&フィニッシュ地点のテントでノースリーブから長袖に着替え。
ヘッデンと懐中電灯、行動食の準備を行います。

2週目は長袖に着替え。

だんだんと日が暮れ、真っ暗になるギリギリまで粘ってヘッデンを点灯。

予報どうり18:00頃から雨。
兎和野高原のエイド前で降り始めます。
トイレでmont-bellの透湿防水ジャケットを羽織ります。

幸い大降りではなかったので走りに影響は出ませんでした。

夜と雨による冷えなのか、瀞川山への上り途中で胃痛に襲われます。

これまでエイド以外でも1時間おきにチョコやおにぎり煎餅をお腹に入れるようにしてきました。

エイドでもガッツリ食べていたので、食べ過ぎだったのかもしれません。

胃痛になっても低血糖からの低体温症にならないように食べることはやめず、よく噛んで少しづつ食べることに徹します。

夜のパートに入ると風も冷たくなり、汗冷えで体温が下がってくるのを感じます。

とにかく動きを止めないこと、少しでも食べ続けることを心掛けます。

2週目は6時間41分。

脚の疲れはあまり感じませんでしたが、暗い中を思い切って走れないナイトパートの弱さがでました。

胃痛に悩まされながら2週目終了。

3周目 寒さ

寒さを感じていたので3週目を前に着替え。
薄手の透湿防水ジャケットの上に発熱素材のジャケットを重ねます。
テントで再会した仲間は「暑い、暑い」と言っています。
普通は暑いのか、ちょっとヤバイなと感じます。

スタート&フィニッシュ地点で“温かいうどん”をいただくが胃が受け付けない、食べれないのははじめてのこと。
身体が冷えて震えが起こる。
「くろんど輪舞曲」でDNFした時と同じ症状がでます。

しかし、KAMI100を完走するため仲間と一緒にここまで来たのに終われない。

気持ちを強く持ち、焚き火で身体を温め体温を上げる。

3周目からは、作戦どうり温存していたトレッキングポールを投入。
「あと、たった一周、大丈夫、大丈夫」と言い聞かせる。

最終周回は、冷えと疲労との戦い。

冷え対策は苦しくても一定の運動量で動き続けることと、こまめな補給。

ここで助かったことは、各エイドでの“白湯”の提供です。
最初は各エイドの白湯を飲んで体を温めていましたが、スタッフにフラスクに白湯を入れ胸を温めるようにすすめられます。

すすめに従い試すと、効果抜群。
応用でハイドレーションにも白湯を入れ少し水を足してぬるめます。
更に保温効果が増しました。
“白湯”サービスがなければ完走は無理だったと思います。

最後の瀞川山の上りはポール頼み、下りの脚は枯れていました。
3周目からトレッキングポールを使用したのは正解でした。

うっすら夜が白みかけたハチ北スキー場に帰ってきて完走を確信した時は、嬉しさより安堵の気持ちの方が大きかったです。

21時間11分でゴール。

感動よりも安堵感のほうが大きかったゴール。

まとめ

万全といえない状態の中で100km超え大会を完走できた要因は様々にあります。

まずメンタル面では、仲間の力が大きかったと感じています。

くろんど輪舞曲の練習会から苦労を共にしてきたメンバー、お世話になっている神戸エーシーメンバーとスライドのたびに声を掛け合い仲間の頑張っている姿に勇気をもらいました。

次にエイドスタッフのサポートに感謝したいです。
夜通し寒い中で補給のサポートや声かけ、応援があることで再び走り出す力をいただきました。

そして補給戦略として、胃痛になろうが少しでも食べ続けることでエネルギー切れになることを防げたと思います。
寒くなった夜のエイドでのお白湯、温かい飲み物、スープの提供がなければ動き続けることはできなかったでしょう。

さらに奥の手の3周回でのトレッキングポール投入は、メンタル面でも良い効果を発揮しました。
ヘッデンの電池交換のタイミングもうまくいき、不安なくナイトパートを過ごすことができました。

誤算はGARMIN(955)のバッテリーが落ちたこと。
ナビゲーションモードはバッテリー消費が早いので使用しない方が良かったと思いました。

最後に反省は100kmを超える距離の大会では事前の調整が大事ということです。
9月末にアワ一(淡路島一周)160kmを走り、その後6週連続大会出場。
特に前週の金沢マラソンの疲労が抜けきらず本大会では苦しみました。
やはり100km超え大会前は十分に休養を取り臨むことが大切。
自分の身体に対して過信は禁物でした。

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