“くろんど輪舞曲(ロンド)”、関西でトレイルランニングをやっていると耳にするようになる大会。
奈良県との境にある大阪府交野市の“くろんど園地”内の周回コースをグルグルまわるトレラン大会です。
灼熱の8月、最高気温35℃を超える環境で50~180kmを競い合います。
昨年は勢いで180kmの部に参加し、16週でDNF。
あまりのしんどさに二度と参加しないと思っていましたが、この大会で出会った仲間たちと再び暑い夏を楽しむため、目標とする大会へのステップレースとして90kmの部に参加することに決めました。
今回は“くろんど輪舞曲(ロンド)”のコース、装備・準備、実走や振り返りについて記載したいと考えます。
大会について
開催日
180K: 2024年8月10日(土)~12日(月)
120K/90K/50K: 2024年8月10日(土)~11日(日)
距離(周回)と累積標高
180K(21周回): 約180.6km、累積標高:約9,240m、制限時間:42時間
120K(14周回): 約120.4km、累積標高:約6,160m、制限時間:32時間
90K(11周回): 約94.6km、累積標高:約4,840m、制限時間:24時間
50K(6周回): 約51.6km、累積標高:約2,640m、制限時間:15時間
コース
1周約8.6kmの周回コースを使用します。https://crossd.jp/kurondo2024/map/
スタート・ゴール地点
スタート地点: 大阪府民の森 くろんど園地案内所前・炊事棟1
ゴール地点: スタート地点と同じ
スタート時間
180K: 07:00、120K: 09:00、90K: 11:00、50K: 15:00
関門時間
各種目の制限時間内にゴールする必要があります。途中関門の設定はありません。
受付
180K: 06:30開始-06:45終了、120K: 08:00開始-08:45終了、90K: 10:00開始-10:45終了、50K: 14:00開始-14:45終了
大会参加費
180K: 20,000円、120K: 17,000円、90K: 15,000円、50K: 13,000円
交通
京阪電車 交野線「私市駅」、「河内森駅」またはJR学研都市線「河内磐船駅」より徒歩約1時間
コース紹介
くろんど輪舞曲(ロンド)の8.6kmのコースについて紹介します。
①スタート直後から1km強の下り坂。
砂利、石、コンクリートと路面が変化、走りやすくはないが、スピードは出ます。
ここは抑え気味に走りたいところです。
下り坂が終わり②すいれん池を右折し草原広場までは舗装路の上り坂。
草原広場に入り鳥居を越えると③トレイルにはいります。
序盤は緩い起伏の走りやすいトレイルですが、ここも飛ばさず慎重に進みたいところです。
④2km地点でVターンし階段を下り⑤水舞台の巨岩を右手に上りに入り、1ヶ所目の展望台を目指します。
⑦展望台までは登りの階段が多く現れます。
ここも頑張りすぎないことが大切です。
展望台から⑧森地帯の入り口まで下ります。
森地帯は1km弱続くなだらかな下り。
くろんど輪舞曲コースの中でもゴロゴロと石が多いガレ場が続きます。
万年湿地のぬかるみ地帯にハマったり滑ったり、渡渉する箇所もあります。
特に夜は視界が悪く気をつけないと足をぐねります。
⑨森地帯の最も低い所(約4km地点)から一転して急な上りに入ります。
上りが延々と続きキツい箇所です。
2つ目の鉄塔を越え少し下り、こだちの路を左折し炊事棟2へ。
⑩炊事棟2から八ッ橋方へ向かい
⑪八ッ橋を左折。
管理道を北へ上り⑫駐車場ゲートを右折します。
さんさくの路を南へ進み、⑬管理道経由しさわわたりの路を南へ。
⑭分岐を右折しくろんど池ハイキングコースを西へ。
この辺りは川沿いの道を気持ちよく走れます。
⑮分岐を右折しそよかぜの路を北へ、ここからは最後の階段攻めのスタートです。
適度にしんどい階段が6回くらい続き周回のたびに脚が削られていきます。
⑯管理道を左折し、なだらかな坂を少し上りスタート地点/エイドステーションへ戻ってきます。
作戦
目的:丹後100キロウルトラマラソン(サブ10)に向け、暑い中、起伏のあるコースで長時間体を動かし続ける練習
目標:約21時間での完走(制限時間24時間)
作戦
1.マイペース:心拍数を150以内にキープ、決して無理をしない
2.補給:10分おきに一口づつ、こまめに水分補給。2周回毎にハイドレーションを満タンにする。
3.コース分割:11周回を3パート(6周、3周、2周)に分割、90kmと考えるとメンタル的にきついので1パートづつの完走を目標にする。
4.寒さ対策:昨年は昼と夜の寒暖差による低体温症でDNF、反省から身体を冷やさないよう夜のパートに入る前に着替え、冷たい飲み物を控える。
装備・準備
【事前にコースの試走】
1週間前にコースを2周、昨年何周も走ったコースでしたが、分岐地点やアップダウンの加減、走りどころ・歩きどころの確認が出来て大会のイメージトレーニングがしやすくなった。
【必携品などの準備】
着替えと防寒具、サバイバルブランケット、レインウエア (上着のみ可)
※必携品ではないが虫よけミスト
ヘッドライトと予備の電池、足元用の腰ベルトライト
予備バッテリー、ガーミンコード(準備しとけばよかったもの)
身分証 (コピー可)、誓約書チェックリスト
ハイドレーション(1リットル)、ソフトフラスク、マイカップ、塩熱サプリ、WINZONE×6
トレイルランニングシューズ(the northfaceフライトベクティブ)、行動食(カステラ、プリン)
チャート表の作成、周回毎にエイドでの休憩時間も込みで作成。
序盤をゆるめに作成する事がポイントと今回改めて感じました。
周回毎に貯金があるという安心感が精神的ストレスを緩和してくれるからです。
【 体調管理(睡眠、胃腸を整える)】
睡眠には気を遣いました。
一週間前からは、出来る限り早寝早起き、
夕方以降の練習は体温が上がりすぎて夜寝付けなくなるので早朝練のみ。
食べすぎ飲みすぎに注意、間食はやめて冷たい飲み物も出きる限り控える。
周回毎に食べ物は補給できるので、カーボローディングの必要はないと考えました。
大会実走
【1~6週目】
11:00にウェーブスタート、最初の下り坂1kmは抑える。
上りに入ってからは、歩く所、走る所を見極めながら無理せず。
暑いがトレイルに入れば思ったより暑さは感じない。
周りのランナーもみな昨年より涼しいと言っていました。
ゆっくり行ったつもりが、1周目は85分。
作成したチャートより30分早い立ち上がりでした。
2周目はペースを抑え、補給もしっかり行い97分。
それでも予定より13分早いペース。
3周目も抑えたつもりが、86分。
速すぎるとも思ったが森地帯の湿度の高さ以外はしんどさを感じなかったので、心拍数は150以内をキープしながら夜までに行けるところまで行くことにする。
幸いなことに昨年よりブヨやブトなどの虫が少なかったこともストレス軽減になり集中を切らさずに走れた。
オニヤンマの模型2匹と携行した虫除けミストを常に振りかけていたことが役に立ったと思います。
4周目は106分、給食を行ったりヘッデン準備をしたこともあるが、お金と保険証のコピーとPITAPAの入った袋を落とし探し回りタイムロス。
(袋は仲間が拾ってくれていて、次の周回で渡してくれたので助かりました。)
5周目は99分、18時54分に炊事棟に到着。
薄暗くなっていたが、ヘッデンはギリギリまで点灯せず。
なんとか電池交換なしで最後までもたせたいと思ったからです。
6周目は122分。
ヘッデンを点灯するものの夜のパートに入り、視力の悪さと夜の苦手さから一気にペースダウン。
エイドでは寒さに備え長袖に着替えました。
胃腸トラブルを発生し、固形物を食べる気がしません。
食べれたのは、バーベキューロストルのマイ荷物の中に入れておいたプリン。
ビタミンドリンクも補給し、21時前にエイドを出発。
予定より90分早く本格的に夜のパートへと向かいます。
ここまでで約52km、あと40kmと思うと少し気持ちが楽になります。
【7~9週目】
この大会で一番苦しかったのが、夜の7~9週目です。
睡魔、寒さ、胃腸トラブル、膝痛、爪負傷が一気に襲ってきます。
7周目は112分、(60km地点)
森地帯のガレ道で右足の小指の爪を負傷、後で見たら剝がれかけていました。
胃腸トラブルで固形物を受け付けない状態でしたが、低血糖にならないようジェルを水で流し込みます。
8周目は124分(69km地点)
激しい眠気に襲われ気分が悪くなりますが、エイドの温かいコーヒーで復活。
身体を冷やすための扇風機の風が寒い。
この周回で左膝痛発症、具合の良くなかった右の足底をかばっていたからでしょう。
9周目は121分(77km地点)
更に激しい眠気に襲われますが、温かいコーヒー2杯で復活。
森地帯で右足中指の爪も負傷、危険な森地帯は走ることを諦めて歩くことにする。
【10~11週目】
10周目は135分、(86km地点)
この周回は暗闇の中、左膝の痛みに耐えながらほぼ歩きで最低ラップ。
突然、ガーミンの充電が切れてブラックアウト。
使い始めて約2年、フル充電で15時間しかもたなくなっている。
気力だけで脚を前に進める中、夜が明け始める。
11周目
朝日が昇り、周囲が見え始める。
あと1周、左膝は痛いが走れる。
ラストは盛り返し101分でゴール
19時間59分26秒(90kmの部 総合5位)
振り返り
【練習について】
・長距離ランニング
直近の最長距離は7/7「姫ボタル瀞川平トレイルラン」の32kmのトレイルランニングのみでした。
・峠走
7/26の富士登山競争に向けての上り坂重視の峠走が、“くろんど輪舞曲(ロンド)”にとってもいい練習になりました。
他は、JOGと週1回のポイント練習を行いました。
【大会に参加するメリットとデメリット】
メリットは自然の中で自分への挑戦を行えることです。
大会を完走すれば自身の成長を実感でき、完走できなくても困難に挑戦したこと自体が今後の自信に繋がることでしょう。
またコンディションの厳しい中、難コースを長時間走ることで体力と精神力の向上を感じることができます。
そしてトレイルランニングの大会特有の出会い、新しい友人や仲間と充実した楽しい時間を過ごすことができます。
デメリットは、体力的な負担が大きいことです。
“くろんど輪舞曲(ロンド)2024”の結果は、
【出走者】180K:20名、120K:39名、90K:43名、50K:61名
【完走者】180K:4名、120K:21名、90K:20名、50K:44名
【完走率】180K:20.0%、120K:53.8%、90K:46.5%、50K:72.1%
90km以上の完走率は44%
完走するためには体への負担が大きく、大会後に体調を元に戻すことは大変です。
また酷暑で高湿度の中、累積標高と難易度の高いコースを長時間走るため日中と夜の寒暖差で体調を壊したり胃腸のトラブル、ケガのリスクの可能性もあります。
直近に大切な行事や大会を控えている場合、参加は要検討です。
筆者はこの大会で出会った仲間や旧知メンバーと、困難ながらも楽しい時間を過ごせる“くろんど輪舞曲(ロンド)”を年に一度のお祭りと位置づけ、また来年参加することを楽しみにしています。
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