100kmウルトラマラソン。
フルマラソンの距離では飽き足らず出場するランナー、自分の限界にチャレンジするランナー、人生をかけた冒険、人それぞれに参加する理由があるでしょう。
筆者は、市民マラソングランドスラム(サブ3、サブ10、富士登山競争(山頂コース)完走)挑戦の足掛かりの一歩として、100kmウルトラマラソンでの“サブ10”を狙うために「丹後100kmウルトラマラソン」に参加することにしました。
「丹後100kmウルトラマラソン」はコース全般で細かい起伏があり、後半には最難関碇高原越えを控え、気温も例年高く、完走率も50%前後の大会です。
他に難易度が低い100kmウルトラマラソンがある中で、あえて「丹後100kmウルトラマラソン」を選んだ理由は3つあります。
一つ目は、10年前に完走はしましたがタイム的には納得のいかなかったこの大会で“サブ10”してこそ価値があると考えたこと。
二つ目は、トレランを通して出会った仲間と同じ舞台に立ち共に完走する約束をしたこと。
最後は、53歳という筆者の年齢からもグランドスラムに挑戦できるギリギリの年齢ではないかと考えたことでした。
たくさんのランナーが、それぞれの想いを胸に走るウルトラマラソン実走の投稿がこれからウルトラマラソンに挑戦するランナーの参考になれば嬉しく思います。
丹後100kmウルトラマラソン 大会概要
山陰海岸ユネスコ世界ジオパーク
第22回丹後100kmウルトラマラソン
開催日:2024年9月15日(日)
主催:丹後100kmウルトラマラソン実行委員会
種目:
100㎞の部
60㎞の部
参加料:
100㎞の部:22,000円
60㎞の部:17,500円
スタート場所:
100㎞の部/アミティ丹後(京都府京丹後市網野町網野367)
60㎞の部/久美浜浜公園(京都府京丹後市久美浜町3137-3)
スタート時間:
100kmの部/4時20分・30分・40分の3ブロックに分けスタート(アミティ丹後)
60kmの部/9時00分(久美浜浜公園)
制限時間:
100kmの部/14時間00分
60kmの部/9時間30分
参加賞:
□THE NORTH FACE 世界遺産シリーズオリジナルTシャツ
※4月26日(金)までにお申し込みの方までお選びいただけます。
□世界遺産シリーズオリジナルタオル
※限定Tシャツ締め切り後は、参加賞は世界遺産シリーズオリジナルタオルとなります。
完走賞:
完走者全員に完走メダル・WEB完走証
申込期間:
2024年3月1日(金) 18:00 ~ 2024年7月12日(金) 23:59
参加資格:
①大会当日、満18歳以上の健康な方(高校生は除く)※車椅子での参加はできません
②水分を携行できるボトルと携帯カップを持参すること。※紙コップでの給水提供はありません。
③最低限の補給食、防寒具、雨対策(雨が降った場合、雨をしのげる場所がない為)を携帯すること。
表彰:
男女種目別上位6位
男女年代別上位3位(表彰状のみ)
グループトライアル上位3位(表彰状のみ、グループ全員分後日発送)
※状況に応じて大会当日に表彰式を行わない場合があります。
募集人員:
4,000名(100kmの部/2,600名 60kmの部/1,400名)(先着順)
コースについて
100kmの部は、4時20分・30分・40分の3ブロックに分けアミティ丹後からスタート。
約30km地点、第一関門の海山園までは、網野町の内陸部を走り久美浜湾を時計回りに一周。
高低差図では割と平坦に見えるが、細かいアップダウンが多い。
約55km地点、第二関門の弥栄地域公民館までは、日本海の海岸線を走り内陸部へと入っていく。
昇ってくる太陽の暑さと七竜峠のアップダウンがポイントになる。
約72km地点、第三関門の碇高原管理事務所までは、ほとんどが碇高原までの標高差400m超えの上りに費やされる。
約86km地点、第4関門の丹後庁舎までは、内陸の碇高原から海岸線に出るほとんどが下り坂のコース。
終盤の下り坂の走り方が難しい。
ゴールまでは、ほとんどが海岸線沿いのコース。
日陰の無い海岸線を最も暑い時間帯を走ることになる。
疲労もピークに達している中、ジオパークの海岸沿いの景色を楽しむ余裕があれば最高です。
エイドの数は26か所、被り水は10か所設置。
大会側の補給、暑さ脱水対策は万全です。
スタート(アミティ丹後)~海山園〈第一関門 29.5km〉
3:30アミティ丹後に到着。
体育館で荷物を預け、すぐそばのスタート地点へ向かう。
スタート前のトイレは混雑しているので、4.6km先のエイドまで我慢することにしました。
4:20スタート、気温28℃、湿度が高く蒸し暑い。
スルーするつもりだった第1エイドでトイレ(小)。
10kmまではなだらかなアップとダウンがあります。序盤なのでここは頑張らない方が得策です。
筆者は調子が上がらないなか、オーバーペース気味で走りリズムに乗れませんでした。
第2エイド(11.6km)は予定通りパス、第3エイド(16.2km)で水分補給、減っていたハイドレーションを満タンにします。
第3エイドから20km過ぎまでは、やや下りで走りやすい。
空もすでに明るくなって足元も良く見える状態です。
久美浜湾も見え始め、海山園〈第一関門 29.5km〉までは比較的に平坦で気持ちよく走れるコースが続きます。
途中にある湊大橋越えは、景色が美しく気持ちがいいです。
30km地点、2時間49分。
予定を2分オーバー。
序盤は緩めの予定を組んでいたので、少し焦りが出始めます。
海山園〈第一関門 29.5km〉~弥栄地域公民館〈第二関門 54.5km〉
この区間では37kmあたりから難関の七竜峠越えがあります。
標高は150mほどですが、斜度がきつく足が急に重くなります。
七竜峠は多少スピードが落ちても仕方ないと割り切り、時には歩いても良いでしょう。
筆者の場合エイドでの休憩もありましたが、この区間がキロ10分を超え本大会で最も遅い区間になりました。
七竜峠を越えてからは多少のアップダウンはありますが、海岸沿いの比較的平坦で楽なロードが続きます。
世界ジオパークに認定された海岸沿いの風景を見ながら気持ちよく走れる区間です。
海岸線を進むと、静御前ゆかりの静神社や生誕の地(41~42km)が見えてきます。
スタート地点近くの浅茂川漁港エイド(44km)から、嶋児神社 大鳥居、八丁浜、離湖をへて三本末交差点を右折して内陸へと向かっていきます。
弥栄地域公民館〈第二関門 54.5km〉までは大きなアップダウンはないですが、フルマラソンの距離を越え練習のできない距離へ突入していくことになります。
50km地点で4時間52分、予定より10分オーバー。
七竜峠の苦戦が大きく響いた区間でした。
弥栄地域公民館〈第二関門 54.5km〉~碇高原管理事務所〈第三関門 72.3km〉
いよいよこの大会で最難関と言われる碇高原へと進みます。
60km手前から70kmまで標高400mをダラダラと上っていきます。
七竜峠ほど斜度はきつくないのですが、いつ終わるのか分らないほど上り坂が続いていく。
加えてここまで60km走ってきた疲労、この場面で曇りから晴になっての暑さ。
走りきることができず、歩いて心拍数を下げ、走って苦しくなると歩いて心拍数を下げるの繰り返し。
66kmエイドで70km以降の下り坂に備え痛み止めの“ロキソニン”を服用します。
碇高原管理事務所〈第三関門 72.3km〉に着いたのが、11時48分。
60~70kmは1時間17分かかりました。
長い上り坂、直射日光で疲労もピークに達します。
70km地点で7時間13分、予定より22分オーバー。
残りの体力を考えても、この時点でサブ10達成は絶望的です。
碇高原管理事務所〈第三関門 72.3km〉~丹後庁舎〈第四関門 85.7km〉~アミティ丹後〈ゴール〉
下り坂に入ってからも疲労と脚の痛みでスピードが上がりません。
しかしまだサブ10を諦めることができず、スピードアップを決意。
ロキソニンも効き始め痛みも引いてきたころを見計らいスピードアップ。
キロ6分台に落ちていたラップを5分代前半まで戻し4kmほど進んだところで、右足小指にできていたマメが潰れました。
悶絶しそうな痛みで、失速していきます。
ロキソニンの効果を信じて痛みに耐えながら止らずに走り続けます。
徐々に痛みがなくなっていきこの日最速ラップのキロ4:49がでます。
長い長い下り坂が終わり、海岸線沿いに出てきます。
80km地点で8時間12分、予定より21分オーバー。
下り坂でも予定を縮めることができませんでした。
細かいアップダウンが続く海岸線を進み丹後庁舎〈第四関門 85.7km〉に到着、チームメンバーが応援に駆けつけてくれたり、60km参加のラン友と遭遇したりでメンタル的にかなり救われました。
その後、ラン友と並走し付いていくことができなくなり背中を5kmほど追いかけ引っ張ってもらう形になり90kmまでは比較的楽に進めました。
90km地点で9時間21分、予定より22分オーバー。
サブ10.5狙いに目標を変更します。
ラスト5kmは、この日一番の日差し。
八丁浜、嶋児神社 大鳥居を越えあと1km。
沿道の応援、アミティ丹後が見える。
最後の左折をしてゲートが見えてからは、ゆっくりとゴール。
10時間27分35秒(ネットタイム)
サブ10は達成できませんでしたが、10年前の記録は1時間以上短縮しました。
まとめ
結果は、グランドスラム達成の足掛かりとしての“サブ10”は未達成でしたが、共に「丹後100kmウルトラマラソン」に挑戦し完走する約束をした仲間は全員完走を果たしました。
“サブ10”達成は次年度のお楽しみにして、フルマラソン“サブ3”達成に気持ちを切り替えていこうと思います。
「丹後100kmウルトラマラソン」の完走率は49%でした。
完走率が半分に満たない大会を完走できたことは自信つながりました。
一方で、レースプラン、メンタルのコントロール、補給術、装備などで改善できる反省点も多々見つかりました。
反省記に関しては来年用に見返すためと、これから「100kmウルトラマラソン」に挑戦される方への参考に後日投稿しようと考えます。
「丹後100kmウルトラマラソン」は長い歴史があり、地域と一体化した素晴らしい大会でした。
ランナー目線から見たストレスのない大会運営、各エイドや沿道でのあたたかいおもてなしや応援、どれをとっても素晴らしい大会でした。
この大会に関わられた運営スタッフやボランティアの皆様に感謝いたします。
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コメント
初めまして。グランドスラム頑張って下さい。私は15年前に達成しました。富士登山競走は43歳から21回連続完走しています。3時間22分台が自己ベストです。フルマラソンは44歳の時の2時間42分26秒が自己ベストです。ウルトラマラソンは余り興味が無かったのですがグランドスラム達成には必要でしたのでマラソンを卒業する前にと61歳の時岩手銀河100キロ挑戦しました。1回で9時間22分41秒でゴール長いこと掛かりましたがグランドスラム達成する事が出来ました。目標をしっかり持って頑張れば達成出来ると思います。私は76歳になりますがまだ楽しく走っています。40年間で累計走行距離11万1000キロ達成しました。無理はしていないのでまだ走れています。
初めまして。素敵なコメントをありがとうございます。
達成された数々の偉業に心から敬意を表します。
富士登山競走やフルマラソン、そしてウルトラマラソンでの素晴らしいタイムと連続完走記録には勇気をいただきました。
特に、76歳になられてもなお楽しく走り続けていらっしゃることは、私にとって大きな励みになります。
40年間で累計走行距離11万1000キロというのも驚異的です。
タカオさんのような方がいることを知り、私も目標に向かって頑張ろうという気持ちが一層強くなりました。
これからもお互いに健康で楽しく走り続けましょう。
貴重な経験と励ましの言葉を本当にありがとうございました。