2023年6月10日に滋賀県高島市朽木で開催されたフェアリートレイルのスーパーロングコースの前半32kmを終えて、残りは28km。
今回参加したスーパーロングコースは約60kmで、標高差は約3,620m。
長丁場なので我慢して抑えて抑えて、60%以上の体力は残っているイメージで第3エイドの小川(こがわ)集会所に到着しました。
時刻は11時半を過ぎ、あと2つの大きな山場を残し、すでに5時間が経過していました。
立ち塞がるあと2ヶ所の急登、今後の疲労を考えると、目標の10時間切りは危うい状況になっていました。
この後、想像以上に美しく、思いもよらない過酷なトレイル、体力と気力の限界との葛藤が近づいていました。
小川集会所〜第4エイド
第3エイドの小川集会所から第4エイドの栃生(とちゅう)までは、烏帽子峠〜白倉岳(950m)〜南岳(940m)の3つのピークスを越え南岳から栃生まで700m以上急降下する過酷な区間です。
第3エイドから烏帽子峠までの上りは、渡渉を繰り返し、苔むした岩場をひたすら登ります。
小川のせせらぎ、苔のついた岩、静かな川沿いのトレイルは神秘的かつ幻想的でした。
6人くらいの集団で走っていましたが、景色の美しさに息を呑み筆者が止まって撮影を始めると周りのランナーも撮影を始めます。
撮影大会も終わり、苔岩の上りに取り掛かります。
ここも上っても上っても前が開けず、頂上が見えない。
岩場、ガレ場が多い急登なので走りにくい。
走れる所は出来るだけ走り、ひたすら烏帽子峠を目指す。
集団は徐々に減っていきます。
残った3人で自然と先頭を交代しながら引っ張り合います。
ついに筆者も脱落、前の2人についていけなくなりました。
烏帽子峠に到着し、ロングコース(40kmの部)のランナーと合流します。
余力あるロングコースのランナーにはついていけず、次々と抜かれていきます。
呼吸が乱れ肺に空気が入らなくなり、大量の汗が噴出、脚も段々と動かなくなり普段は走れるトレイルも歩きになっていきます。
烏帽子峠までの急登での引っ張り合いはオーバーペースだったのでしょう。
白倉岳、南岳辺りはフラフラで意識も朦朧としてあまり記憶にありません。
南岳からの急な下りもトロトロと下り、栃生までたどり着きます。
時刻は13時23分(所要時間:1時間53分)、ここは疲労を考慮し余裕をもって2時間で予定していたので7分取り戻しました。
尋常ではない喉の渇き、コーラ、スポドリ、水をマイカップに2杯づつ補給。
休むと走り出す気力がなくなりそうなので、直ぐにエイドを後に。
小川集会所から烏帽子峠までのスーパーロングコースのランナーしか走れない区間は、鏑木さんの言うとおり美しく幻想的で走りごたえのあるコースでした。
この区間では上りで頑張りすぎ、脚が崩壊して心が折れそうになりました。
あくまで自分の気持ちの良いぺースで、自重することが大切です。
栃生〜第5エイド
第4エイドの栃生(とちゅう)から第5エイドの地蔵峠までは約5km。
栃生からイワクタ峠(923m)まで約2kmで700m以上急上昇し、エイドのある地蔵峠(780m)にいたる区間です。
栃生からイワクタ峠までは高低差図で見ると、このコースでの最大傾斜角度。
最後の急登と覚悟を決めて上り始めます。
つづら折れの林道が続き、傾斜はキツイが烏帽子峠よりは断然上りやすい。
走れそうなトレイルも多かったですが、歩いて脚が復活するのを待ちます。
延々と続く林道をひたすらパワーウォークで上りイワクタ峠に辿り着きます。
すでに下りや平坦なトレイルでも走る力が残っていません。
呼吸が上がり息も絶え絶えで地蔵峠にたどり着きます。
時刻は14時47分(所要時間:1時間24分)、ここも余裕を見て1時間半で予定していたので6分取り戻しました。
つづら折れの林道は、気持ちの良いフカフカのトレイルでした。
前半の力があれば、走って上れたかもしれません。
次回は、走って上れる体力を残しておけるようにスタミナを強化したいです。
地蔵峠〜第6エイド〜ゴール
第5エイドの地蔵峠から第6エイドの朽木スキー場までは蛇谷ヶ峰から約500m下る約7km。
第6エイドの朽木スキー場からゴールのグリーンパーク想い出の森までは、下りの多い約4kmの区間です。
第5エイドでスタッフから「あと11kmです。」と聞かされ、気持ちが楽になります。
あとたったの11km。
平日のjogくらいの距離です。
大量のコーラ、ポテチ、塩昆布を無理やりかきこみ、水分、糖質、塩分を補給します。
補給と気持ちの切り替えで、気力と脚が復活しました。
オーバーペースにならない様に慎重にギリギリの速度で、細かいアップダウンを繰り返しながら蛇谷ヶ峰を目指します。
ここは昨年の比良トレイルランで走ったコース。
標高差図では見えない細かなアップダウンに泣かされた記憶がよみがえります。
蛇谷ヶ峰からは500mを一気に下ります。
第6エイドの手前はガレた下りですが、下りもあと少しなので思い切って速度を上げます。
第6エイドは飲み物のみ、コーラ、スポドリ、水を2杯づつ最後の補給。
フラスクの水は尽き、ハイドレーションの水もあと少しです。
スキー場から下りの舗装路を少し走り再び山道に入ります。
ちょっとした上りなら走れるくらい脚が復活しています。
最後に少し急登がありますが、これを越えると後はひたすら下り。
グリーンパークの敷地内に入り、ロングコースの2人組のランナーを抜きます。
あと1kmくらいでラストスパートを仕掛けます。
2人組が「ついていかしてもらおう」といいながら、ラストスパート。
後ろから迫るロングの2人組。
全てが限界を超えていましたがが、スーパーロングの意地で抜かれたくない。
誘導スタッフのあと500mコール。
まだ500mもある。
燃え尽きる前の最後のパワーでゴール前の下り坂を駆ける。
ゴール!
(最後の1kmは4:10、どこにそんな力が残っていたのか?)
鏑木毅さんとハイタッチ&握手&記念撮影。
9時間45分 部門順位19位でした。
怪我なしマメなしで無事完走しましたが、お尻とハムストリングスの激痛でしばらく立ち上がれず。
蚊に刺され放題で、しばらく座り込んでいました。
記録証ももらい忘れました(残念!)。
フェアリートレイルのスーパーロングコースはGARMIN計測で約56.6kmで、総上昇は3,874m、総下降は3,875mでした。
脚に優しいフカフカなトレイルが多く、気持ちの良い舗装林道、苔むした岩場の清流沿いのトレイル、美しいブナの原生林、琵琶湖が見渡せる稜線、沢登、何度も繰り返し時にはドボンありの渡渉、圧巻の巨大杉のつづら折れコース、趣のある集落など変化に富み景色も幻想的でした。
コースにはトレイルマーカーが多く設置されていて、超方向音痴の筆者も1度しか迷うことなく完走することができました。
あまり人が通らないようなトレイルもよく整備されていました。
地元の方々やスタッフの皆様に感謝いたします。
エイドの食べ物や飲み物も充実していてスタッフの方々が親切に対応してくれます。
暑さはあまり感じなかったですが、急登・急降下のコースは難易度が高く、更なるフィジカルとメンタルの強さと覚悟が必要だと感じました。
間違いなく、完走した後の充実感は他の大会よりも大きなものがあります。
来年も是非参加したいと大会です。
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