毎年10月初旬に開催、第23回目になる京都一周トレイルラン北山コースを走ってきました。
京都を時計まわりで嵐山から静原に至るコース。
距離は約33ｋｍ、累積標高1360m+、制限時間は8時間(関門あり)です。
主催：日本トレイルランサーキット協議会(JTRC)
運営：アクトレップ株式会社
秋の京都の快適なトレイルを走り、改めてトレランの素晴らしさを感じることができた大会でした。
気候も涼しく、雨と雨の間の好天。
時には厳しいコースもありますが、全体的には走りやすい優しいコース。
京都の観光地の嵐山をスタートし西山の清流沿い、静かな林道、厳かな寺社仏閣、急勾配の上りや障害物の多い稜線上の細い道、垂直な下り、石や木の階段の峠を越え、最後は静かな里の風景を楽しみながらゴール。
遠慮なしにトレイルを攻めれる絶妙な33kmの距離でやり切った感も味わえる。
文句なしに心も体も開放できる京都一周トレイルラン北山を走ってきた体験を紹介します。
嵐山公園(スタート)～清滝橋(第1エイド 距離：8.3km)
9:30嵐山スタート。
スタート直後の嵯峨野の観光地はたくさんの寺社仏閣、庵が並び
落柿舎（らくししゃ）、二尊院(にそんいん)、化野念仏寺(あだしのねんぶつじ)などを横目に走ります。
観光地を抜けると石畳、狭い舗装路のゆるい上りが続きます。
2km付近の化野念仏寺から徐々に勾配が急に。
序盤は体が重く石畳のゆるい上りがしんどく感じられます。
六丁峠を越えると、ぐねぐねの下り坂。
脚に負担をかけない程度にブレーキをかけ過ぎずに下ります。
坂から清滝川沿いコースに入ると小刻みなアップダウンと平坦な道が続きます。
長い清滝川沿は清流が心地よく爽やかな風景、涼しく、舗装された所も多く走りやすい。
反面、濡れた岩場が多く滑りやすく気が抜けない危険な区域。
9月の京都一周グランドトラバースでは横滑りに転倒しました。
前回転けた清滝川沿いの滑る岩場は慎重に進みます。
清滝橋を渡ると第1エイド(距離：8.3km)に到着します。
発汗量は少ないので清滝橋のエイドでは給水せずに先に進みます。
この時点で順位は7位。
清滝橋(第1エイド 距離：8.3km)～氷室分れ(距離：約20km)
第2エイド(レストランはせがわ前)までは11km。
沢の池までの急な上りがポイント。
上り切れば、走りやすい舗装路の多い下りが続きます。
高雄橋を越え、国道沿いから福ケ谷林道へ。
林道に入ってから細い急勾配の上りが続きます。
前を行く5人のランナーに食らい付き、歩かないように上り続けます。
長い上りなので本来は、ランとウオークを混ぜながら無理せず小股でマイペースに進むのがよいでしょう。
上り切ると沢の池。
沢の池から4kmのコースは、よく整備された下り基調の舗装路。
この日は下りも積極的に攻める気持ちだったので遠慮なく飛ばします。
気分よく走れますが、スピードが出過ぎるので後半の体力を消耗しないように注意も必要です。
その後も快適に走れる舗装路が多く続く気持ちの良い区間。
氷室分かれで左折し坂を下ると第2エイド(レストランはせがわ前)に到着。
第2エイドはアクエリアスを一杯給水し、再び氷室分かれまで坂を上り氷室神社を目指します。
後続4人とすれ違う。
あまり差が開いていない。
一人第2ウェーブの若いランナーが来ている。
ここまでで約20kmで全体の三分の二。
氷室分れ(距離:20km)～山幸橋(第3エイド 距離24.5km)
氷室分れから氷室神社までは走りやすい舗装路。
更に舗装路を進み、害獣よけゲートをくぐり下りの登山道にはいります。
盗人谷と物騒な名で呼ばれる山道は、急な下りの山腹、細い木橋もあるので慎重なトレイルさばきが必要になります。
氷室神社から盗人谷の下りは細く大きく傾いた稜線を走る集中力のいる下りが続きます。
一歩踏み外せば谷底に転げ落ちるような箇所もあり集中が増します。
急斜面、つづら折れ、倒木、木の根などの障害物をかわしながら夢中になれるランは楽しく、下り力が覚醒するかもしれません。
個人的には、この大会で最も楽しい区間です。
下り切ると山幸橋があり、ここから向山ルートへ。
24.5km地点、山幸橋の第3エイドで3位。
山幸橋(第3エイド 距離24.5km)～鞍馬駅前(臨時エイド 距離:30km)
向山越えはこのコースの山場になります。
上りは歩幅を縮め細かく刻み、下りも筋肉を破壊しないように慎重に進みたい区間。
向山山頂までは激しい上りが続きます。
木の根が出っ張り張り巡らされた場所が多くあります。
序盤の沢の池までの林道は走れますが、向山は急斜面すぎてほとんど走れません。
約2km、上り続け向山山頂。
涼しかったので、9月の京都一周グランドトラバースの時よりは苦しまず上ることができました。
※向山山頂写真
息つく暇もなく夜泣峠を越え、二ノ瀬ユリの下りに入ります。
二ノ瀬ユリのユリ道は、ゆっくりした傾斜の長い坂道と言う意味です。
夜泣峠、二ノ瀬ユリの上りと下りはキツく疲れも見え始め歩きが多くなる。
ゆっくりした傾斜とはいえ、結構脚にこたえる下り。
若手ランナーにすごい勢いで抜かれる！
4位に後退。
貴船口駅に向けて下りの急坂が待っています。
ゆっくりした下りから垂直に感じられる激斜面。
急斜面下りで腰が引け滑り一回尻もち。
何とか下りきり鞍馬寺までのウォーキング指定区間に入る。
貴船口駅は休憩所、自販機、トイレがあるので少し休むには最適。
ウオーキング指定区間は約1.5km。
鞍馬川沿いの絶景ポイントを楽しむことができます。
少し息をつき歩いていると鞍馬駅前に到着。
鞍馬駅前(臨時エイドエイド 距離:30km)～静原神社(ゴール 距離33km)
薬王坂は上り階段が多い整備された東海自然道、下りは階段が少なく厳しい急勾配になっています。
最後の上りになる薬王坂は石段、木の階段が多く脚が重く呼吸も上がりもう走れない。
坂を越え最後の急斜面下りもきつい。
特に終盤のコンクリートの傾斜がきつくブレーキをかけると足に負担がかかるので歩幅を縮め回転を上げて下りたい坂です。
坂を抜け最後は、静原の里の家並みを眺めながら800mで静原神社にゴール！
3時間50分44秒。
3位【暫定】？
しばらくして先にすごい勢いで抜いていった若手ランナーがゴール。
途中でコースロストしたということでした。
まとめ
天候に恵まれた中、秋の爽やかな嵐山の観光地をスタートし、清滝川沿いの清流を楽しんだ序盤。
沢の池まで急勾配の長い林道で粘って走り切り、氷室分れまでの快適な下りの舗装路を飛ばし、盗人谷の稜線下りの本格トレイルに夢中になった中盤。
向山の急斜面の上り、夜泣峠・二ノ瀬ユリのアップダウンから貴船口までの急斜面下り、貴船口から鞍馬駅までの鞍馬川沿いの快適なウオーキング区間、薬王坂を越えのどかな静原神社にゴールする終盤。
長すぎず短すぎない最適な距離で集中し、体全体で自分の走りを表現しながら自然を満喫することもできました。
累積標高も高くなく、これからトレイルを走ってみたいと思うランナー、色々なコースを試してみたいランナーにおすすめのコースです。
機会があれば、ゆっくり登山を楽しみたいコースでもあります。
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