京都一周グランドトラバース② ~Traveling along the ridgeline of Kyoto~ (氷室分れ~大原戸寺公民館)

コース紹介

第6回京都一周グランドトラバース
京都一周トレイルラン北山コースと東山コースを繋ぎ、時計まわりで嵐山から山科に至る大会。

距離は約59km、累積標高2400m+、制限時間は12時間、ITRAポイントを3獲得できます。

主催:日本トレイルランサーキット協議会(JTRC)

運営:アクトレップ株式会社

スタミナ、パワー、スピード、上り下りのテクニック、メンタルの全てが要求される関西屈指のコース。

序盤は嵐山の観光地、細かなアップダウン、清滝川沿いの滑る岩場、沢の池までの急勾配の林道、氷室分れまでの快適な下りの舗装路を楽しむことができました。

関連記事:京都一周グランドトラバースを走ってみた①

中盤は、盗人谷の激下り、向山の急斜面の上り下り、貴船口から鞍馬駅までの歩き、薬王坂・江文峠越え。
序盤にはないアップダウン、バーティカルな下りも出現し、厳しい京都トレイルらしくなってきます。

京都一周グランドトラバース 高低図

10時を過ぎ、暑さも発汗も尋常ではない中盤戦。
難コースと暑さを乗り越え、後半の比叡山を迎えなければいけません。

氷室分れ(距離:20km)~鞍馬駅前(第3エイド 距離:30km)

氷室分れから氷室神社までは走りやすい舗装路。
序盤は下りのスピードを抑え走ったので脚は疲れておらず快適に走れます。

氷室神社

更に舗装路を進み、害獣よけゲートを通り下りの登山道にはいります。
盗人谷と物騒な名で呼ばれる山道は、急な下りの山腹、細い木橋もあるので慎重なトレイルさばきが必要。

盗人谷では大きく傾いた山道を下り続けます。
一歩踏み外せば谷底に転げ落ちるような箇所もあり恐い。
細い木の橋を滑らない様に越え、出張った木の根をかわしながら走ります。

恐いが楽しく、トレイルに集中し時間が経つのを忘れ夢中で駆け下ります。

盗人谷一橋 https://www.yamakei-online.com/new_images/cl_record/49277/3_P5200008_l.jpg?0335

下り切ると山幸橋があり、ここから向山ルートへ。

約24km地点、叡山電鉄市ケ原駅まで2kmの距離。
調子の悪い時には最初のリタイアの決断をした方が良い場所です。

向山越えは中盤の山場になります。
ここは体力を温存するため、上りは歩幅を縮め細かく刻み、下りも筋肉を破壊しないように慎重に進みたい区間。

向山山頂までは激しい上りが続きます。
京都のトレイルは、地元の六甲では見られない木の根が張り巡らされた場所が多くあります。
木の根でできた天然の階段を上り続けます。

京都のトレイルは根っこが多い

序盤の沢の池までの林道は走れたが、向山は急斜面すぎて全然走れない。
ほぼ歩きなのにキツイ、苦しい、ツライ、心臓がバクバクです。
約2km、30分間上り続け向山山頂。

向山山頂

息つく暇もなく夜泣峠を越え、二ノ瀬ユリのゆるい下りに入ります。
二ノ瀬ユリのユリ道は、ゆっくりした傾斜の長い坂道と言う意味です。

ゆっくりした傾斜とはいえ、結構脚にこたえる下り。

途中で大量に発生したハチを回避する迂回路をスタッフが作ってくれていました。
先週に芦屋ロックガーデンでハチに刺されたばかり。
2回目に刺された時のアナフィラキシーショックが心配だったのでありがたかったです。
ハチに刺される危険の中での作業や誘導、運営スタッフに感謝です。

トレラン中のハチトラブルに興味のある方はこちらをご参照ください。

貴船口駅に向けては、下りの急坂が待っています。
ゆっくりした下りから垂直に感じられる激斜面。
ここで2回目の転倒。
腰が引けて尻からこけました。
左肩も強打しましたが影響なく続けれる程度の打撲。

到着した貴船口駅にはハイカーがたくさん。
駅のトイレに立ち寄り、水道で顔や手を冷やしリフレッシュ。

貴船口から鞍馬街道に入り鞍馬駅方面へは、ウオーキング指定。
バーティカルな下りで右足小指にマメができたようで痛い。

ウオーキング指定区間は約1.5km。
疲労と暑さがこたえはじめ、正直ラッキーな休憩区間でした。
歩きながら“クリーム玄米ブラン”で補給も行うことができ力が湧いてきます。

鞍馬川

歩いていると鞍馬駅前の第3エイドに到着。
ここまでで4時間2分、氷室分れから1時間44分。

氷室分れ(距離:20km)~鞍馬駅前(第3エイド 距離:30km)

鞍馬駅前(第3エイド 距離:30km)~大原戸寺公民館(第4エイド 距離37km)

エイドで水を3杯飲み復活。
キンキンに冷えた水はハイドレーションのぬるい水と違い回復効果絶大です。

鞍馬寺を横目に薬王坂に向かいます。

鞍馬寺

薬王坂は上り階段が多い整備された東海自然道、下りは階段が少なく厳しい急勾配になっています。

給水で復活し、薬王坂の上りはスルスルと進み坂の頂にも気づかないまま下りに。
下りは傾斜がきつく歩幅を狭めブレーキをかけないように走りますが、ここで小指のマメがつぶれます。
踏んばれないのですこしスピードダウン。

坂を抜けると静原の里に入り、静原神社に辿り着きます。
4月と10月に開催される京都一周トレイルラン東山・北山コースのゴールになりますが、京都一周グランドトラバースでは半分の地点。

静原神社

静原神社を通過し京都一周トレイルラン東山コース(遡る)へ進みます。

静原小学校付近から国道沿いはウオーキング指定。
暑いが天気が良く気持ちいい。
これから上る水井山が目の前に見えています。
先はまだまだ長い。

これか越える山が見えてきます

ウオーキング指定解除になり江文峠へ。

京都一周トレイルラン東山コースでは、最後の最後に泣かされ歩いている峠越え。
ここまでの道のりがきつすぎて感覚がマヒしているのか、10分ほどで走り切ります。

峠を越えると大原ののどかな風景。
暑いが、時折吹く風が気持ちいい。
マメは痛いが、平坦な舗装路は走りやすい。
ずっと大原を走っていたい気分になります。

大原 https://hidekichirun.com/wp-content/uploads/2022/09/7d4d50919b9488ae17f58aa349a2ed38-1024×765.jpg

大原戸寺公民館手前の少し急な上りを走り切り、第4エイドに到着。
水3杯とグルタミン&クエン酸を補給。
飲み切ったハイドレーションの水を満タンにします。

最難関の水井山への上りに向け気合が入ります。

大原戸寺公民館まで4時間53分、第3エイドから1時間2分。

鞍馬駅前(第3エイド 距離:30km)~大原戸寺公民館(第4エイド 距離37km)

中盤ふりかえり

盗人谷の急な傾斜のトラバースで夢中になり、抑えが効ず脚を消耗。
集中してもレース全体を考え体力を残す走り方を心がけなければいけません。

向山の上りはきつくて走ることができず、ほぼウオーキング。
少しでも走れる区間を増やすことと、パワーウオークの練習が必要です。

薬王坂、江文峠の上りは無理せず小刻みに進めば走り切れる。
腰を曲げず前傾、股関節を使うことを意識することがポイント。

薬王坂を越えてから大原まではご褒美コース。
整備された舗装路を、のどかな景色を堪能しながら走ることができます。
ここは気持ちも体力もリフレッシュして後半に臨みたい区間。

貴船口手前のバーティカルな激下り坂でマメをこしらえ、薬王坂でマメつぶれ。
踏ん張りが効かず、負担のかかった左小指、右親指にもマメができはじめる。
ひとつめのマメをつくらない対策が重要です。

次は比叡山の前に立ちふさがる水井山、横高山。
ここを無事に越え、大文字山を越えれるか?

転倒とマメつぶれ、少しコースロストもあったが気力・体力は残っている。

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